願望

または希望、野望、切望。

私は現在不幸な事はなく、幸せと言えるかもしれない。

自分の思い通りにならないからと言って、不幸だ、なんて思う時期はとうに過ぎた。

それが世界の在り様だと理解してしまった。

その時、私には夢がなくなった。


悪魔の名前であるメフォストを名乗る事は、願望でもある。

俗に言う『悪』に憧れた訳ではなく。

正義の味方に憧れはなかった。

世界の為、なんて理由で戦う正義の味方に共感したことはない。

私は、自分と自分の周りだけの世界さえ守れれば良い。

その為になら私の周りの世界以外の事などどうなってもいい。

自分の為、もしくは自分達の為に戦う悪側に共感していた。

自己犠牲の精神なんかはそう論じていないと自己を犠牲にする者なんかいないから。

情けは人の為ならずなんて諺も、そうでも言わないと情けをかけないから。

たまに曲解してる人がいるけど、情けは人の為ならずの意味は、情けは他人の為にじゃなくて、自分に返ってくるから進んでしなさいという事。

そうやって曲解してまで人間は人に情けをかけたくないらしい。

自己犠牲の精神が美学だというのはメディアに踊らされているから。

恋愛が美化されているのもメディアの陰謀であろう。

恋愛なんて所詮は所有欲の延長だと思う。

もしくは自己愛。

自分の恋人が特別だと思うのは幻想だ、とは誰の言葉だったか。


話が逸れた。

そう、私が悪魔を名乗るのは世間への反抗心。

テレビを見なくなったのもそれが根底にあるから。

私は私の価値観で生きる。

世間での常識なんて隠れ蓑を盾にして逃げるつもりはない。

それが、私メフォストの役目。

まぁ、何が言いたいかというと。


非日常への扉は何処にあるのかって事ですよ。